2018年5月、スウェーデンのバイオテクノロジー企業BioGaia ABは、近年問題になっている抗生物質耐性(薬剤耐性)との戦いを支援するための財団「THE FOUNDATION TO PREVENT ANTIBIOTIC RESISTANCE」を設立しました。
同社の日本法人であるバイオガイアジャパン株式会社でも、薬剤耐性問題の啓蒙や、抗菌剤(抗生物質)の濫用を防ぐためにプロバイオティクスである乳酸菌「L.ロイテリ菌」を利用したバクテリアセラピーの推進を行なっています。
20世紀初頭のペニシリン発見以降、人類は数多くの抗生物質を発見し、それを使用した抗菌剤が開発されてきました。現在では世界各国での抗菌剤濫用によって、さまざまな病原菌が抗菌剤に対する耐性(薬剤耐性)を持ち、これまでは効果のあった薬が効かなくなるという問題が起きています。
G7の間で共有されたオニールレポートに拠れば、2013年時点で薬剤耐性を持った病原菌が原因で死亡した人数は、少なく見積もっても約70万人。このまま何も対策を取らなければ、2050年には薬剤耐性菌によって約1,000万人が死亡すると考えられています。これは現在の悪性腫瘍による死亡者数を上回る数字です。この問題に対処するため、BioGaia ABが設立したのが薬剤耐性との戦いを支援する財団「THE FOUNDATION TO PREVENT ANTIBIOTIC RESISTANCE」です。ヒトが本来持つ免疫システムを強化することで感染を予防するための研究や教育、情報活動を行うプロジェクト・機関・個人などのうち、財団の理事会が適格と定めたものに対して資金援助が行われます。
同社の日本法人であるバイオガイアジャパン株式会社でも7月11日(水)に歯科医療関係者に向けて、薬剤耐性問題の専門家・広島大学病院の大毛教授を招いてセミナーを実施予定。このセミナーは一般社団法人広島市歯科医師会の後援を受けています。また今後も全国の歯科医療関係者に向けて情報発信を行っていく予定です。
■BioGaia AB
2016年の時点で14,000名以上の被験者を対象に臨床研究が行われ、133件以上の科学論文と10件以上の博士論文が発表されている乳酸菌「L.ロイテリ菌」の特許などを保有するスウェーデンのバイオテクノロジー企業。その製品は自社やパートナー企業などを通じて世界100以上の国で販売されている。
■THE FOUNDATION TO PREVENT ANTIBIOTIC RESISTANCE
BioGaia ABの創業者ピーター・ロスチャイルドやカロリンスカ医科大学のエワ・ビョーリンなどが理事として参加する薬剤耐性との戦いを支援する財団。
http://preventantibioticresistance.com
<薬剤耐性菌に関するセミナーについて>
バイオガイアジャパン株式会社は、医療関係者を対象としてさまざまなセミナーを実施しています。お問い合わせはお電話(03-6721-6515)またはメール( information@biogaia.jp )にて、薬剤耐性菌セミナーの件でと申し添えてお問い合わせください。