バクテリアセラピーは国際医療学会で古くから学術用語として定義されている、しっかりとした医療技術です。
昨今の健康ブームで巷には「◯◯セラピー」「☓☓セラピー」などの言葉が氾濫していますが、その中には科学的な根拠や効果効能が乏しかったり、中には全く無かったりするものが数多く含まれています。そもそも「セラピー」という単語は医師によって行われる医学的な治療を意味しますが、日本ではカタカナ語としてファッションや流行語、造語として多用される傾向にあるため、バクテリアセラピーもそういった類のものと混同されてしまう場合があります。
しかし、学会ではきちんと「バクテリアセラピーとは病原菌の抑制・制御を行う効果の確認されている菌株を摂取することで、宿主の菌叢を良好に維持または再建する技術。」(1946, Florey, 1999, Hillman)と定義されており、欧米を中心に永年に亘って研究が進められてきた確固たる医療技術分野です。
従って専門家が「バクテリアセラピー」と称する時には、論文や臨床試験などを通じてきちんとした学術的な効果が証明されている医学的な知見に基づいた治療技術を指します。